襖の貼替え
本やインターネットの情報を見ながら取り組んだ作業、この方法が良いのではと思った貼り方も、出来映えが悪いとテンションが下がります。上手くいかない場合は、しばらくの間、見ては考え、また、見ては考えます。その間、違う作業をしながらも考えます。そうすることで、不思議と修正点が見つかります。今回は戸襖と本襖を貼り替えました。紙を切る時も実際に紙の上に襖を置いて、糊しろを考えます。水分を含んだ時に紙は伸びるのですが、乾くと縮みます。時間が経過すると不思議にピンと貼ります。何枚も多種多様な紙を貼ると慣れてきます。和紙を切る時は、喰い裂きと言って、刃物で切らず、水で紙をしめらせて、引きちぎります。定規を置いて、筆に水を含ませ、少しして定規を置いたまま引きちぎるのですが、力を入れる加減も微妙です。貼る時の糊の薄め具合や解き方、糊の固まりが残らないように混ぜます。ポイントは均一に糊を塗ることです。胴貼り、茶チリ紙、襖紙とそれぞれ糊のつけ方も違います。紙の中の空気やシワを取り除くのも優しく柔らかいブラシで抜いていきます。紙を置いては空気を抜き、中心から四隅へ追いやっていきます。糊の乾く速さとシワを伸ばす速さを競い合っているのですが、少しプクプクしていても、次の日にはピンと伸びてくれます。木枠の折合いによって、木ネジを付けたり、釘を打ったり、戸襖に関してはドアノブを外したり、付けたりと、普段、毎日、使っているものですが、こんな仕組みになっているのだと改めて見入っていました。職人さんに頼むと、もっと綺麗な仕上がりになるんだろうなと思いながら、見ています。